地球のために…
冷媒センサによる、
冷凍機監視システム。

●冷媒不足の予知が可能になります。
●ファジーコントロールで機種を選びません。
●冷媒充填は、誰でも適正量になります。
●CPU搭載で、学習機能でさらに精度アップ。


  1. 冷媒漏れセンサ開発の動機

  2. 冷媒漏れ予知の手法

  3. 過去の問題点の克服

  4. 補足資料

  5. 価格表











1.冷媒漏れセンサ開発の動機

 図1に、スーパー・デパートに於けるショーケース等の冷凍機システムのフロー図を示す。
冷凍機とショーケースは、配管で接続されており配管中を冷媒(現在フロン)が流れショーケースの中を所定の温度まで冷却させる。
 一般的には、ショーケースの中が所定の温度に保てない様な事態(例えば、冷凍機の異常停止・ショーケース内の温度異常)が発生した場合はそれぞれ警報を発する様なシステムになっている。
 処で、冷凍機とショーケースは配管で接続されており、冷凍機が震動物体であるが故に、又、腐蝕等の原因から冷媒が微量づつ漏れ冷凍能力が低下しショーケース内の温度が上昇するケースが間々有り最悪の場合は商品が販売に耐えられなくなる。(たとえば、アイスクリームが溶ける等)最善の場合でも商品は他へ移さなければならず、手間も掛かり商品の販売チャンスのロスにも繋がる。又、ショーケース内の温度上昇まで放置しておくと冷媒の漏洩量も多くなり地球環境悪化の原因の一つと成る。
 その様な背景から冷媒漏れの早期予知から警報を発し商品の販売チャンスのロスをなくすと同時に冷媒の漏れ量を少なくすることが重要である。
 導入のメリットを下記に示す。
  1. 商品損傷の防止
  2. 販売チャンスロスの防止
  3. メンテナンス担当者の緊急出動の防止
  4. 冷媒充填量の削減
  5. 地球環境保全の一助


図1 冷凍機システムフロー図

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2.冷媒漏れ予知の手法

 冷凍機システムの何等かの情報からその冷媒の減少傾向(漏れ)を知り得ることが出来ないかとの目的から過去2年間に亘り実験研究を行なった結果その簡易性・経済性から以下の手法を採用した。
  1. 冷媒配管経路高圧部に設置されたサイトグラスで確認される泡の発生メカニズム特性から判定する。
     これは、サイトグラスに発生する泡に対する日本冷凍空調設備工業連合会の定義の応用である。連合会では、サイトグラスに対し以下の定義をしている。
    《サイトグラスの取付》
     冷媒の溶け込みによる油の発泡現象や液圧縮等の事故の一つに、冷媒封入量の過充填があるが、これを防ぐのに冷媒液配管中にサイトグラスを取り付け、冷媒封入量を極力少なくするのがよい。
    @ 取り付け位置
     取り付け位置は、受液器と膨張弁の間で、受液器にもっとも近い箇所に取り付ける。
    A 使用法
     圧縮機を運転して冷媒を封入していくと、最初多量の泡(ガスの状態)がサイトグラスに見られるが、次第にその泡が少なくなり、ついにはその泡が消え液だけが流れるようになる。
     この時が、その冷凍サイクルの適性冷媒量を示している。
     また、下記の場合も適正な冷媒が封入されたとみられる。
     従って、サイトグラス内の移動する泡が連続して発生する現象が起きた場合に冷媒の不足現象とすることが逆説として成り立つ。

  2. 冷媒の状態変化情報を光反射光量として取り込む。
     泡の発生を確実に捉える手段として、光の透過量の変化が実験データからも実証され、その変化量は泡が光を阻害した量(泡の量)に比例するデータが得られておりその変化量を判断し易いよう反射をもって同一の泡を2度通過させその変化量を増大させることとした。

  3. 情報解析判定は、8ビットマイクロプロセッサで処理する。
     冷凍機システムの設定温度及び負荷状況、環境温度状況等々に影響され複雑多岐に状態変化を繰返すサイトグラス内の泡の状況を解析判断するのに一つの判定条件で警報出力するのでは誤報の発生が多発することは明らかである。そこで、各種冷凍機システムに合った、環境条件に合った判定基準を随時策定していく処理が必要になってくる。この処理をCPUに処理させることに因って誤報の発生を極度に押さえることとする。この処理をファジーコントロールとする。

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3.過去の問題点の克服

 過去、冷凍機メーカなどにおいて研究開発が進められ、商品化されたものもあるが何れもその警報の信頼性を克服できずに廃止及び断念に至っている。
 その主な要因を推測検討したものをまとめると、下記の様になる。

  1. センサ(光センサ)の方式からくる常識の落とし穴。
    光センサを使用して配管中の流体の状態を検知する場合通常透過式が採用される。
    そのために、高圧である冷媒配管に設置するには耐圧の点からもガラス面積及び構造的に制約(耐圧では、ガラスが厚く、面積も大きくできない)を受けた結果発生する泡の細かい変化まで対応できなかった。また、ガラス面積が小く経時変化にも対応できなかった。

  2. 固定判断基準による誤報の多発。
    過去、冷媒中の(サイトグラスに見られる)泡の発生が或一定時間連続した場合に警報を出力するよう考えられていたために、その時間の特定と絶えず変化する環境(特に四季による温度変化)に如何対応するかで誤報を回避できなかった。

  3. 人的要因として、判断基準にメンテナンス技術者の主観のウエイトが高い。
    同一の泡の発生状況でも、もともと技術者の経験と感に頼る部分が多く色々な判断が下される結果を余儀なくされている。

本予知センサは、上記問題点をすべて回避すべく開発されたものである。

1の問題は、4.補足資料に説明するように、泡に因って阻害される光の量を多くすることと、片面監視による大型のガラス(既製のサイトグラス)の採用によって経時変化の影響を少なくすることと同時にコストダウンに成功した。

2の問題は、CPU搭載によって過去の情報を基に現在の判断基準を見出すと同時に、発泡メカニズムから連続する発泡パターンと発泡時間と無発泡時間の比率の情報分析を行うことによって誤報の削減に成功した。また、パラメータの変更によって予知警報のタイミングも自由に設定可能としフレキシブル性を持たせた。

3の問題は、冷凍機システムの適正冷媒量の判断をすべて予知センサで実施するために冷媒充填時に適正量を表示する機能を持たせ予知センサによる一元管理によって判断基準の一定化を可能とした。

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4.補足資料

サイトグラス内の光の変化図

泡の量によって戻る光の量が変化する。


光の反射式と透過式の違い
1.透過式
(光線8本:泡5個)

透過式では、直線的な光の動きのみで右図に比べて泡を通過する光の数が少ないので変化も少ない。
2.反射式
(光線5本:泡11個)

反射式では、進入光が泡を通過した後、同じ光が今度は、戻り方向に向かい再度泡を通過するので光に対する泡の影響が大きい。


 冷凍機システムにおける冷媒配管中に発生する泡の発生メカニズム。(伊藤 和也)
冷凍機システムにおいて、配管中(主にレシーバータンク直後)に設置したサイトグラス(点検用ガラス窓)に見られる泡の発生は、本資料図1冷凍機システムフロー図にある凝縮機(冷媒を液化する)の温度と蒸発器(冷凍・冷蔵庫等で冷却する部分)の温度が一定で圧縮機が一定サイクルで動作し続けると仮定した場合にシステム中の冷媒は、飽和状態で液体と気体のバランスが一定になるはずである。その状態で冷媒がシステム外に放出されれば飽和バランスが崩れ冷媒の気化が促進され液体中に発泡現象が現れる。現実には、システムの環境変化によって細かく飽和バランスが乱れて発泡が見られる。

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5.価格表(1996.6.24現在)

品名型名価格(円)
センシングシステム制御部FS-C06280,000
センシングシステムセンサ部FS-P0318,000
サイトグラス3/8FS-SG-104,000
サイトグラス1/2FS-SG-12S4,000
サイトグラス5/8FS-SG-16S5,000
サイトグラス3/4FS-SG-19S6,500
サイトグラス7/8FS-SG-22S7,000
サイトグラスオーダFS-SG-ORG9,000
メンテナンスプログラムAFS-MP06AW48,000
メンテナンスプログラムBFS-MP06B100,000
メンテナンスプログラムCFS-MP06C600,000
リモートプログラムFS-MP06R50,000
メンテナンスケーブルFS-MC-28,000

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